フォトグラフィ科×高等部3年ヘアメイク科によるセッションワークを実施!フォトグラファー・ササキシュン講師、スタイリスト・TATSUO講師にプレゼンテーション

スクールライフ
東京校
ヘアメイク学部

※本プロジェクトでは、実在するファッション雑誌をイメージソースとした模擬課題に取り組みました。実際の雑誌とは関係ありません

バンタンデザイン研究所では専攻を超えた、「セッションワーク」授業を実施しています!
多彩な専攻を持つバンタンだからこそ実現できる他学部とのコラボレーションプロジェクト。

各学部の在校生(以下メンバーと表記)が、プロ現場と同様にチームで作品を創り上げます。今回は、フォトグラフィ科、ヘアメイク科(高等部3年次)、スタイリスト科のメンバーが参加。
掲載を想定する「雑誌」を1つ選び、表紙と見開き(ページものを開いた時に対になる、左右ページ)を制作。

プレゼンテーションの模様をダイジェストでお届けします。審査を務めるのは、フォトグラファー・ササキシュン講師、スタイリスト・TATSUO講師です。

【1.Aチーム「80’s ×VOGUE」】(架空設定)

「『VOGUE』です。コンセプトは、『新ボディ・ポジティブ』。ありのままの身体を承認するボディ・ポジティブに対して、なりたい女性像を承認する新しい概念として世間に提案します。スタイリングは、80年代のボディコンシャスなランジェリースタイルです。1ルックは、バーガンディーレッドのボディコンで、体のラインをしっかりと出しました。シンプルになり過ぎないよう大小さまざまなパールを用いました。2ルックは、レースの赤いボディスーツを主役にエレガントで優美な女性像に仕上げました」

プロジェクトを終えた感想をメンバーに聞くと……「周りの皆さんのおかげで見せられるものに着地したと思います」「当初の企画から二転三転して、撮影当日まで不安でした。カメラを通して作品を見たら『やりたかったことに近いな』と感じました」とコメント。

TATSUO講師「二人のモデルさんが並ぶカットは、ライトもプリントもとても素敵だと思います。自分たちの作品に残ると思います。ただし、作品が、『VOGUE』のエレガントさに達しているのだろうか?という点は詰めていかなくてはなりません。首のパールはきれいですが、手首のパールはどうでしょうか?狙いに美しく昇華できているかどうか、一つひとつ精査する良い機会です」

ササキ講師「客観的に見るとよい着地点ですが、もっとVOGUEらしさを追求してほしいです。VOGUEは、日本版、アメリカ版、フランス版もあります。どの国を想定しているのかも見極めてほしいですし、もう少しスタイリングに反映されるといいです」とフィードバック。

【2.Fチーム「80’s×VOGUE」】(架空設定)

「女性進出が進み、女性が社会でリーダーシップを発揮している様子を表現した作品です。パワーショルダーにウエストはベルトでシェイプされ、洗練された曲線美を生み出しています。オーバーサイズジャケットを引き締めて、メリハリを出しています。メイクは、寒色を使ったアイメイク、リップはピンク色など当時の流行を反映しています」

TATSUO講師「きれいな作品だなと思います。撮影現場で、『グローブのサイズが大きい』と話にあがっていました。VOGUEで紹介するような“プレタポルテ”(高級既製服)は、サイズが合っていなくてブカブカであることはあり得ません。現場にあるものでしか撮れないのであればそう撮ってもらうようにオーダーするのが腕の見せ所です。最終的には、 “いまのファッション感”に落とし込めていると思います」
ササキ講師「写真だけ見ると、まとまっていると思います。見開きは、同じ1ルックでまとめるよりも、2ルックあったほうがいいですし、エディット(編集)で工夫する必要があったと思います」

【3.Eチーム「SWAG HOMME」】(架空設定)
チョイスした雑誌は、ハイファッション ヴィジュアル マガジン『SWAG HOMMES』。

「カッチリした作品から、遊び心があってインパクトが強いものまで掲載されていて、クリエイターによりテイストが異なるのが特長です。コンセプトは『Pop Grease』で、『Y2K×ロカビリー』スタイルです。有象無象がひしめくトレンドの『Y2K』にエッセンスを入れることで新しい案ができるのではないかなと思いました。シャツを着てレザージャケットを着る一般的な『ロカビリースタイル』を、シャツ×サイクリングユニフォームに、デザイン性の高いボトム、レインブーツを合わせています」
レディースも、同様に「Y2K×ロカビリー」スタイルにまとめ、テキストで、コンセプトについての説明も入れました。

ササキ講師「ゴールが見えていたからスタイリングなども割と早くできましたね。写真は彩度を上げた?ロケーションも合っているし、現場の雰囲気も良かったし、制作をするエナジーが感じられていることは、評価に値します」

TATSUO講師「ランドリーでの撮影許可も諦めなかったし、事前準備もできていました。懸念していた“土臭さ”が若干気になります。モニターの明るさであればいいのですが、刷ると色が落ちてしまうんです。ピンクが、もっとポップなピンクなら100点が120点になった。より高いレベルで調律できたら良かったです」と期待を寄せました。

【4.Gチーム「90’s×SWAG」】(架空設定)

「私たちは、普通のスポーツミックスに飽きてしまい、コンセプトを『esports MIX』としました。テーマは、『esportsもスポーツじゃん』です。『SWAG』は、ストーリー性のある雑誌です。FPSをやり過ぎたゲームオタクが、ゲームのキャラを操作するというストーリーで、『GAME NERDと、CHARACTER』をスタイリングで表現しました」

ゲーマーは血色が悪めのメイク、ボサボサ寝癖ヘアアレンジに。キャラクターは、90年代に流行した「アムラー」のコーディネートにサングラスをかけて“現代の”ゲーム感を出しました。渋谷の街を背景に、リアリティとバーチャルのちぐはぐ感を狙いました。
ササキ講師「手元の資料の方が、君たちの考えていることが第三者に伝わりやすいのかなと思います。ただし、フォーマットが課題から外れています」

TATSUO講師「スタイリングについて、『GAME NERD』に2025年に売られているドメスティックミリタリーブランドのアイテムを入れるだけで一気に“SWAG感”、“ファッション感度”が爆上がりします。それをしていないから、『SWAG』としては弱いです。『アート寄りのZINE』だとすれば見れちゃいますが、次回の課題としてください」

また、Cチームは「80’s×VOGUE」を選び、「パワープレゼンス」をコンセプトに、世界中で活躍する女性をピックアップ。ディスコの躍動感や女性の凛とした佇まいをスタイリングで表現。「バストアップの方が、力強さが際立つと思いました」とプレゼン。

ササキ講師「同じページを何回も見せられている気がして、もったいないです」
TATSUO講師「もう少し、やりようがあったんじゃないかな?カメラマンとのディスカッションもあるべき。スタイリストは、媒体などの信用でアイテムを借りてきます。
雑誌に載せる=商品宣伝の意味合いがあります。だから、プレスには無料で貸し出してくれるわけです。どれだけアイテムを入れ、説得力を持たせるかがスタイリストの技量だと思います。気持ちいいかどうかで判断するのではなく、全身を見せてほしいです。準備と現場はとても良かっただけにもったいないです」と、ストレートに意見を伝えました。
作品を褒めるだけでなく、ときに厳しい意見をも伝える講師陣たち。これは、作品に改善の余地と、メンバーたちの可能性にも伸びしろを感じているからこそです。
在学中から、業界で活躍するプロフェッショナルから率直なアドバイスをいただけるのも、バンタンデザイン研究所で学ぶメリットです!

※本プロジェクトでは、実在するファッション雑誌をイメージソースとした模擬課題に取り組みました。実際の雑誌とは関係ありません

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