21.06.27 24.03.25 更新

Ray Cassin「CHEER UP PROJECT」のTシャツに、ファッション科2年・佐々木穂華さんのデザインが採用!作品に込めた想いをインタビュー

東京校

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人気ブランド・Ray Cassinの社会貢献活動「CHEER UP PROJECT」。

2020年11月にスタートし、これまでにエコバッグやマスクなどを販売してきました。特徴的なのが、販売代金の一部をCOVID-19や災害等で苦しんでいる方々への寄付、被災地への救援物資の寄贈にあてられていること。

今回、バンタンデザイン研究所高等部ファッション科11名が「各々の考えるCHEER UP」をテーマに、デザインとグラフィック作品をRay Cassinに提案しました。

 

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最優秀賞に選ばれたデザインは、Tシャツのグラフィックとして採用され、商品化されることに!!

 

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「私の作品が選ばれたと聞いて、母が泣いて喜んでくれたんです」と話すのは、グランプリを獲得したファッション科2年・佐々木穂華さん。ご自身がデザインしたTシャツを着て、ラフォーレ原宿に来てくれました。

株式会社レイ・カズンWS事業部 営業企画 中園梓さん佐々木さんのデザインについて「ストーリー性も高く、とてもよく考えられたデザインでした。一次審査では、社内のCHEER UP PROJECTチームでセレクトし、二次審査で全スタッフが投票を行いました。三次審査では上位3つの作品をウェブ公開し、一般投票を実施。佐々木さんのデザインは、レイ・カズンのお客さまから最も支持されたものです」と評価します。

 

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―――― CHEER UP PROJECTとはどのようなプロジェクトなのでしょうか?

「コロナ禍で、生活様式が変わりアパレル業界も打撃を受けています。そんな状況でも、私たちはファッションの力を信じていますし、喜びを届けたいと思っています。私たちなりの方法で社会を元気付け、学生の皆さんにファッションのプロの仕事を体験できる機会を提供したいと考えました。

学生がデザインしたアイテムを展示する、という企画はよくあると思いますが、実際に商品化まで行う取り組みは珍しいと思います。学生さんにも、自己満足でデザインをするのではなく、お客さまに支持されるアイテムはどのようなものなのかを考えていただき、アパレル業界で働く楽しさや喜びを感じていただけたら嬉しいです」

 

―――― 販売の推移は?

「300枚発注して、既に55枚売れています。6月4日からの販売なので、5日間で考えるととても良い売れ行きですね。各ショップの店長に聞くと、CHEER UP PROJECTというプロジェクトに共感してお買い求め下さる方や、佐々木さんのデザインが好きで購入してくださる方が多く、反響の大きさを感じています」

 

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佐々木さんにも、商品化に至るまでのストーリーを教えてくれました。

 

<お客さまに選ばれる「デザイン」ができるまで>

―――― どのようにデザインを考えましたか?

「イメージマップを作るところから始めました。CHEER UPという言葉から、花、風船、虹などの単語を出して、絵にしていきました。特に花には、人を元気づける力があると思います。チューリップ、バラ、マーガレットを考えましたが、レイ・カズンさんの店頭に足を運んだり、SNSやECを見たりして、どの花がいちばんブランドのイメージに合っているかを考えマーガレットにしました」

 

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―――― マーガレットを選んだ理由は?

「可愛らしいけれど、大人っぽい雰囲気があるから。最初は1本でデザインを考えていましたが、3本に並べ茎の部分をリボンにアレンジ。くすんだ水色、オレンジなど色も俯瞰で見て、いちばんしっくりくるものを選びました」

 

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―――― どのようなソフトを使っているんですか?

「『ibis Paint』というアプリです。指で描けるので、直感的に線などを決めることができます。花以外にも、ハートのデザインも考えました」

 

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―――― 準備期間は?

「2月中旬にプロジェクトのお話をいただいたと思います。1か月くらい制作期間がありましたね。

でも、1年次の年度末制作・修了展と時期が重なっていたので、作るアイテムが多く本当に忙しかったです。実は、修了展のファッションショー当日の朝まで、洋服を縫っていました(笑)」

 

―――― 大変だったことは?

「自分がいいと思うデザインと、人が着たいデザインとは違うこと。

適当な状態では出したくなかったので、クラスメイトからも意見を聞きました。ベストな作品を出したいけれど、時間も限られていたのでそこは大変でした」

 

―――― 自分の作品が選ばれた、と聞いたときどう思いましたか?

「三次審査に進めたときから、既に嬉しかったです。商品化が決まったときも、ものすごく嬉しかったんですが、未だ現実味がなくて……。発売日に、実際に店頭に商品が並んでいるのを見たとき、ようやく現実味が湧きました。

ファッションの力で社会貢献活動に参加できる、というのもとても光栄です」

 

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<バンタンデザイン研究所高等部のこと、将来のこと>

―――― バンタンデザイン研究所高等部に入学した理由は?

「それまでは、中高一貫の女子校に通っていました。でも、どうしてもファッションの道に進みたくて。親には『高校を出てから専門学校にいけばいい』と反対されていましたが、私としては早くからアパレル業界に入りたかった。好きなことが明確なら早くから準備を始めた方がいいと思いました。それに、受験勉強がしたい訳ではないのに、生半可な気持ちで学費を払ってもらうのも申し訳なくて。それで、親を説得して入学しました。

学年はひとつ上なんですが、バンタンデザイン研究所高等部に入学して本当に良かったです。こういう機会に参加できたことも自信をもらいました。

服って、正解がないんです。コンテストでグランプリを取れても、着る人が喜んでくれるとは限りません。でも、そういうところが面白い」

 

―――― バンタンデザイン研究所高等部の好きなところは?

「スタイリストや衣装デザイナーなどプロの講師に教えてもらえるところ。業界の知識も豊富だし、『こんなアーティストと仕事をしたよ』『こんなブランドの仕事をしたよ』と話をしてくれるのも、自分の知識になります。同級生とも仲が良くて『みんなでアクセサリーを作ろう』と計画しています。好きなものもが共通しているから、楽しいし雰囲気もすごくいいです」

 

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―――― 好きな講師、授業は?

「スタイリスト・伊達講師。実は、強い想いを持って入学したものの、一時期気持ちがついていかない時期があったんです。そのとき、伊達講師が『ちゃんとやればできるのに、やらないの勿体ない!』と叱ってくれて。その時にハッとして、課題にもそれまで以上にしっかり取り組むようになりました。

ソーイングの授業、デザイン画の授業も好きです。ソーイングの授業では、縫い方や生地について学びます。これまで表面的なシルエットや柄の可愛さしか見ていませんでしたが、ショップにいっても、『ここはこう縫っているんだな』『裏地はこう付けているんだろうな』と服の構造が分かるようになりました」

 

―――― 将来は、どのようになりたいですか?

「ファッションデザイナーです。コロナ禍が落ち着いたら留学したいと考えていて、今はバイトでお金を貯めています。ずっと、海外で暮らしてみたいと思っているんです。2~3年ほど住んだら帰国して、日本でブランドを立ち上げます。レディースなのか、メンズなのか、子ども服なのかジャンルは未だ考え中です。多くの人に着てもらえるような服を作ることが目標です」

 

―――― 今回のプロジェクトに参加して得られたことは?

「これまでも自分でデザインした服をSNSで売っていました。でも、それは自分の知り合いの人“だから”買ってくれるケースが多いと思います。CHEER UP PROJECTに参加して、一般投票で選ばれたことが大きな自信になりました。たくさんの人が着たいと思ってくれたことが本当に嬉しいですし、この道で頑張ろうと思えました」と笑います。

在学中から、人気ブランドでデザイナーデビューできた実績は、これからのキャリアでも大きな糧となりますね。

 

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【CHEER UP PROJECT】

https://www.store-raycassin.jp/shop/pages/cheerup_vantan.aspx

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