堀米雄斗選手を東京五輪金メダルへ
導いた早川大輔さんによる講演会
”日本が目指すべきこととは?”
こんにちは!
バンタンデザイン研究所東京校です。
5月11日、高等部・スケートボード&デザイン専攻にて特別講演会が行われました。
ゲストは東京五輪金メダリスト堀米雄斗選手のコーチを務め、自身もプロスケーターとして日本のスケートボードシーンをリードしてきた早川大輔さん。
冒頭では「まず、伝えたいことがあります。みんな、スケートボードが好きだからこの場にいると思うけれど、ハッキリ言って大正解。スケボーは人生を豊かにしてくれる存在。正しい扉を開いているのは間違いないから、自信をつけてもらいたいです」と、うれしいお言葉がかけられました。
「僕がスケートボードを始めたのは13歳。ブームもあって、いつも地元の公園で滑っていました。そんな中、日本で活躍し始めたプロスケーターに憧れるようになって、ますますスケボーにのめり込みました」
その後、スケートボードの聖地、アメリカへの訪問が拍車をかけ、スケボーのキャリアを選んだという早川さん。
ですが、当時は日本でプロスケーターとして生活するのにはまだまだ厳しい時代だったのだとか。
「スケボーを続けるためはとにかくお金が必要で。当時、スケーターがファッションブランドを立ち上げるというのが流行っていて、自分もブームに乗り、洋服を作りました。ピストバイクっていう自転車を扱う店を持ったり、ボードを販売したり。売上も好調だったけど、4年くらいでモチベーションが下がっちゃって。お店は閉じることになったけど、スケボーだけは続けたくて、ブランドを立ち上げて若いスケーターを集めてチームを作りました」
堀米雄斗選手のお父さんとかねてよりスケボー仲間であったという早川さん。
その縁もあり、堀米選手が早川さんのチームに入ることになったそう。
「初めて雄斗の滑りを見た時、すごい衝撃を覚えましたね。自分がやってきたスケボーって何だったのか?と思ったくらい。その時に、もうこの子たちの時代なんだと感じて、若い世代をサポートしていこうと決めました」
早川さんはアメリカで多くのスケートシーンを見てきた経験を活かし、堀米選手をはじめ日本人の有力選手を「TAMPA AM 」や「DAMN AM」というアメリカのコンテストに挑戦させ続けました。選手たちは着実に実力と成績を伸ばしていったといいます。
その後、早川さんはTAMPA AM創設者の声がけにより「DAMN AM JAPAN」の立ち上げを担うことに。さまざまな調整を続け、2018年、静岡県にて歴史あるコンテストが初上陸したのです。
「正直言うと、日本人プロスケーターのレベルは海外より劣っていたし、海外で挑戦するという人もごく僅かでした。DAMN AMの日本立ち上げを引き受けたのも、そんな日本のスケートシーンをグローバル化したいという気持ちが強かったから。結果的にたくさんの選手が上手くなって、やりがいを感じましたね」
東京2020オリンピックで正式種目となったスケートボードでは、堀米雄斗選手のほか、多くの日本人メダリストが誕生しました。
「雄斗が金メダルを取るなど、スケボーが脚光を浴びたのに、その影響が日本のスケートシーンに感じられないのが残念。まだまだ日本国内で活躍できればいいと考える大人が本当に多い。オリンピック開催で何か変わるかと期待していたけれど、変化はなかったし、これからも同じかもしれない…」
「だからこそみんなが変えてください!活躍する場は日本だけではないということを。今から動いていけば、5年後には大きく変わっていると思う。そしたら日本のスケートシーンは絶対にもっと楽しくなるはず。目線を高くして進んでもらいたいです」
後半では生徒からの質問に答えるQ&Aコーナーが実施されました。
――プロスケーターになるために、高校生の時にやっておくべきことは?
「大人と違って、時間と体力の制限がないのが高校生の特権。今はスケボーが好きだという気持ちを大切に、何にでも全力で取り組んでおくべき。お金を稼ぐのは大人になってからいくらでもできる。今のうちはただやりたいことに集中してほしいです」
――英会話はどのように勉強しましたか?
「正直言って僕は英語が得意ではなく、文法は中2レベル。あとは英語版スケボー雑誌で覚えたり、誰かが話しているのを真似てみたりと、何とかこなしているだけ。スケボーが好きならば英語も自然に入ってくると思うし、ビビらないで構えてほしいです」
――プロはどれくらい自分に厳しいのですか?
「ストイックな人はマジで自分に厳しい。でもそういう人に限ってその努力を外に出さないものなんだよね。ちなみに、アメリカには上手くてカッコいいスケーターがたくさんいるけれど、その中で人気になるのは“セルフプロデュース”ができる人。あとは5、10年後のビジョンを持ちつつ、ちゃんと滑れている人。逆に言うとそういう人しか残らない」
「これからの人生、良い時もあれば悪い時もあるとも思う。でもスケートボードはマジで絶対に裏切らないし、とにかく自分の気持ちを強く持ってほしい。これからも頑張ってください!」
最後にみんなで記念撮影して終了。
生徒にとっては将来へのヒントや刺激をもらう貴重な時間になったはず。
早川さん、本日はありがとうございました!
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