10代で世界を学ぶ、デザインの高校

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ファッション科特別授業!
渋谷カルチャーの震源地・古着屋「BOY」オーナーTOMMY講師にうかがう
「ファッションビジネスの魅力」とは?

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2020.12.02東京

高等部3年生合同授業をレポートします!

 

バンタンデザイン研究所高等部では、ファッションビジネスへの理解を深めるため、

業界で活躍する現役プロフェッショナルをお招きしています。

今回のゲストは、ファッションと音楽のコンセプトショップ「BOY」オーナー兼DJのTOMMY講師

スペースシャワーの配信番組「スペトミ!」MCを務めるなど、ジャンルにとらわれることなく活躍されています。

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――――  自己紹介をお願いします!高校の時から現在までの経歴を教えてください。

 

「ファッションへの興味は小6頃からあって、中・高生になると、色々なお店を巡るようになりました。

オーナーさんが優しく接してくれるのも嬉しくて、いずれはファッションでお店をやりたいと思っていましたね。

親が居酒屋をやっているので、お客さんとコミュニケーションを取る面白さは感じていたんですよね。

高校卒業後、専門学校へ進学しました。先輩がよく遊んでくれて……朝まで遊んで教室に行って寝て、

点呼のときだけ返事したり、とにかく遊んでいました(笑)

18歳のとき、今のBOYの前身となるお店があり、働かないかと誘われました。

もともとお店の常連でしたが引き抜きを受けて、雇われ店長になったんです。

それが専門1年生のときでしたね。どうしようか迷ったけれど店舗にも週5で立っていました。

なので、専門2年は友だちと遊ぶ暇もないくらい忙しかったです。

その会社で2年働いて、独立したのは24歳のとき。今30歳なので、BOY自体が12年くらいでしょうか」

 

――――  あんまりないケースですね。現在の仕事内容を教えてください。

 

「お店としてBOYを引き継ぎ、独立しました。

FASHION&MUSICというコンセプトがあるのでそれに基づいて、CDやレコードの卸を始めました。

タイミングがいいことに、独立した年に多くのアーティストと出会い仲良くなったんです。

それで『ミュージシャンが集まる店だ』みたいに噂になって。

世間的にも『音楽と密接なお店』というブランディングが、3年目くらいでできたんです。

4年ほど前に、友人のアートディレクター・とんだ林蘭から『新しいアーティストの衣装をやって欲しい』

とお願いされました。それが、あいみょんでした。ミュージックビデオといった音楽関連の衣装も多く、

現在は、バイイング、店舗運営、衣装、執筆と、お喋りの仕事もしていますね」

 

――――  とんだ林蘭さんは、バンタンデザイン研究所のイベント「VANTAN CUTTING EDGE2020」の

ポスターデザインも手掛けてくれました。衣装を始められたのは、とんだ林さんがキッカケだったんですね。

 

「そうですね。色んな感覚がすり合い、人に求められ、表現できる場が増えると仕事になりますよね。

人を大切に、好きなものを大切にしてきました。衣装の仕事も、友達から話がきて始めたわけですし

何がキッカケになるか分かりません。出会いも、チャンスも転がっていると思います。見逃さないで!!」

 

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――――  ショップを開店するまでの手順も教えていただけますか。

 

「ショップで、場所が欲しいとなったら、物件、仕入れ、資金が必要です。個人事業なら登録をして、

古着屋だったら古物商の許可も取得しなくてはいけません。

古物に関しては盗品の販売を防ぐという意味合いがあるんですよ。

レコードにも許可が必要ですし、アパレルでもリメイクブランドなら許可が必要です!」

 

――――  知りませんでした。ちなみに、バイイングはどこから?

 

「独立した後は、カナダがメインです。カナダとかアメリカで多いのは、地域の『Thrift Shop(スリフトショップ)

※日本のリサイクルショップに近い業態』に行ったり、個人とやり取りしたり。どの古着屋さんもそういった仕入れが

多いと思います。新品で気に入ったブランドがあれば、アポを取って商談します。CDもそんな感じですね」

 

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――――  コロナ禍で海外に行けませんが、今、仕入れはどうなっていますか?

 

「バイイングチームがネットで商談したり、バイヤーが『こんなのどうですか』と提案したりしてくれますね。

買い付けだけで生業になる、バイイングセンスの良いバイヤーもいます。大切なのは、BOYのいい部分を一緒に育てられて、

金額面も理解してくれる人を見つけること。古物商の話でいうと、アメリカで現地調達して直で商品を持ってくる分には

免許はいらないんですよ。でも、バイヤーから譲り受ける場合は、古物商の免許がいります」

 

―――― 具体的な1日の流れ、1週間の流れ、1か月の流れを教えてください。

 

「オープンは15時、閉店は20時です。お店は5時間営業ですが、それ以外にもやることはたくさんあります。

例えば、バイイングチームとのやり取り、お店のオンライン業務、音楽のバイイング、企業との連絡、リース、スタイリングイメージを作ったり、

打ち合わせをしたり。夜にDJをやることもあります。ちょっと前ですが、渋谷PARCO1周年記念イベントや、

心斎橋PARCOオープニングイベントでOKAMOTO'Sのレイジくんと、ポップアップイベントをやりました。

ひとりブラック企業並みに働くときも、あります(笑)」

 

―――― お店づくりで大事にしていることは?

 

自分のセンスを信じることがいちばんです。服も人も出会いを大切にする。友だちからくる話はかなり多いので、

好きなものに正直でいること。あとは、人に相談すること。お店の運営そのものはひとりでも、色々な人に変えてもらって

成長しているものだと最近実感しています。人生も、そうですね。いい人間関係、自分が気持ち良くいるのがこれからの時代は

とても大事だと思います。だらしなく、という意味ではなく、自分が穏やかでいられることですね」

 

―――― 注目しているブランドがあれば教えてください。

 

歌舞伎町のTHE FOUR-EYED(ザフォーアイド)。友だちのお店で、海外ブランドのセレクトもすごく影響力があると思う。

物件からセンスを感じるし、東京でもダントツに格好いいですね。もうひとつは、ケイスケヨシダ。常に青臭いブランドで、

少年期の葛藤感をテーマにしたレディースの服です。デザイナー吉田圭佑は赤羽出身で、先日、新荒川大橋下の河川敷で

ショーをしました。2000年代の古着Tシャツをリメイクし、サステナブルなワンピースを作っていました」

 

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―――― 学生のみんなも、河川敷でショーをやるとかいいですよね。

 

「そうですよね。与えられた場所でショーをする、とかそういうことじゃないと思うんです。

BOYも、古くから音楽の街としてしられる宇田川町にあります。ロケーションは、ものすごく大事なことだと思います」

 

―――― ありがとうございます。TOMMYさんにとって音楽って何ですか?

 

「ひとつ言えるのは、音楽は偉大です。音楽で友だちが増えて、お店を特別な存在にしてくれた。

なので、音楽に恩返ししたいですし、僕が生きている以上はクラブミュージックやバンドシーンが続いてほしいと思っています」

 

 

<学生たちからの質問に、フラットに答えてくれます!>

学生たちからの質疑応答では、基本的な質問から高校生のときにやっておくべきことまで幅広い質問に真摯に答えてくださいました。

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―――― お客さんの年代を教えてください。

 

「18歳から24、25歳までがいちばん多いですが、全世代の方がいらっしゃいますよ」

 

―――― 価格は、どうやってつけますか?

 

「市場というのは、ある程度できているものなんです。例えば、80年代のデニムならこれくらいという値段の相場があります。

そこに付加価値をつけて高く売るのか、もしくは安くするのかはオーナーの自由です。仕入れ値は基本3割、

時間を用いて生まれているブランドはおおよそ6割が相場です」

 

―――― 英語力は必要ですか?

 

「バイイングは、超簡単な英語でなんとかなります。実践あるのみです。

もちろん、英語が話せたら細かなニュアンスまで伝わるので最強ですが、なくてもなんとかなります」

 

―――― 仕事の厳しさは?

 

「ひとりで考えるのが、苦しくなることもありますよ。代わりがきかない仕事が多いので体は壊せません。

食事や睡眠は気にして、体調管理はしっかりしています」

 

―――― 仕事を楽しむコツはありますか。

 

「楽しいことを考え、楽しい人といるように心がけました」

 

―――― 高校生のときにやってよかったことはございますか?

 

「バイトしまくって、服買って、遊びまくったこと。自分でたくさんの服を着ていたことが、

お店で接客したときに、色んな人の体のバランス感が分かって役立ったと思います」

 

―――― 学生のときに、やっておいたほうがいいことを教えて下さい

 

「いいなと思う人にSNSで連絡して、自分から歩み寄ってみて。素敵だなと思う人に会ってみて、

魅力的な理由を知ることは大事だと思います。あとは、学校には色々な設備が整っています。

ミシンでもなんでも、学校の設備を活用してください」

 

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―――― 内装、空間のこだわりはありますか?

 

「最初は、好きな映画『Almost Famous』の世界観から着想を得ました。

BOYは『大人になりきれないもの』を表現しているお店で、映画に出てくる男の子の部屋と同じ壁色にしています」

 

――― TOMMYさんにとって、服とは何ですか?

 

「音楽に近いですね。自分のモチベーションであり、『もの愛』を駆り立ててくれるもの。

服は、肌にいちばん近いもので、自分が気持ちよくいるためのものです

僕は、人間の3大欲求にプラスして物欲が強烈に強い。でも、すべての服を着ることはできなくて、だからこそ止まらない。

同時に、『服を買って欲しい欲』もあるので、だからこそ服の魅力も伝わるんだと思います」

 

――― 有名になるためのプロセスは?

 

「決まった手順はないと思います。本人のセンスを具現化できているかどうか?もうひとつ重要なのは、

時代に合っているか。時代にハマらないものは売れません。

すごくセンスがいいのにビジネスとしては広がらないブランドもあります。

世の中の空気を察することが大切。流行は一歩先だと転ぶけれど、半歩先だと超ハマります

音楽でも服のバイイングでもそう。時代と服をすり合わせながら、選ぶといいと思います」

 

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近年では、複数の職業、肩書きを持つ人を「スラッシャー」と呼びます。

職業の肩書に「/(スラッシュ)」が入ることから名付けられています。

スラッシャーという呼び名さえない時から、先駆けとして多様な仕事を楽しんできたTOMMY講師。

一つひとつのメッセージは示唆(しさ)に富んでいて、学生たちも多くのことを学べたはず!

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